君との恋は面倒すぎる
 冬休みから私も卒業までの三ヶ月で、短期アルバイトを始めた。短期がOKな勤務先を探したところ、カフェでアルバイトをさせてもらってる。

 静かなカフェで、来る人ぞ来るカフェ。
 制服がすごく可愛い。
 なんと言ってもマスターもすごくいい人である。

 従業員は他にもう一人、マスターの奥さんが働いていて、奥さんとよく話しながらほのぼのと過ごしている。


「へぇ彼氏と卒業旅行か、それでアルバイト頑張りたいのね」

「そうなんです、まだどこ行くとか何も決まってないんですけど楽しみにしてるんです。遠距離前最後のちゃんとした時間になりそうなので」


 春休みに入ってしばらくは引っ越しなどでバタバタすると思うから、中々まとまった時間は取れないと思う。蒼空くんも大学生活で忙しくなるし。

 入学式の時のスーツとか見てみたかったな。あれ、そう言えば蒼空くんと薫くんって同じ大学なんだっけ。薫くんに写真お願いしようかななんて考えながら、想像しただけでも格好良すぎて目眩がする。

 アルバイト中はずっとこんな考え事や、マスターやその奥さんと話しながら、卒業旅行のために週五日で出勤した。

 どこに行きたいか考えといてって、言われたけどどこにしよう。沖縄修学旅行リベンジも良さそうだし、いっそ北海道も…、あ、温泉旅行とかも楽しそう。

 それにお泊りって、ついにそういうことだよね?

 急に意識すると顔が熱くなってきた。

 三月四日が蒼空くんの誕生日。


"…俺が十八になって何かあっても君を受け入れられるようになってから。それまで待ってて"


 そんな昨年のクリスマスに言われたことを思い出してしまう。

 もうすぐ付き合って三年経つし、そういう事が起きていてもとっくにおかしくなかったと思う。それがいよいよとなれば、なんか緊張してきた。

 中学卒業の時、告白もできなかったけど、高校一緒の所行くために頑張ってよかったな。あの時に、頑張れていなかったら、今はなかったかもしれなくて、蒼空くんも私を好きでいてくれたなんて奇跡があったから恋人同士になれて…、あの日勇気を出して告白した自分も褒めてあげたいくらい。

 本当この三年間は、色々あったなとしみじみしてしまう。

 後はこのまま静かに卒業式を迎えるだけだ。
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