君との恋は面倒すぎる
 その次は図書室や教室を回ったけれど、卒業式の片付けが、終わった後の体育館に来ていた。

 随分ゆっくりしている間に、在校生がさっさと片付けてくれたらしい。


「体育館?」

「うん、ここで見る蒼空くんの体育の授業でしか見れないバスケは格別だった!」

「ああ、そんな事もあったよね」


 思い出して蒼空くんは何やら笑っている。何で笑っているかは私には分からなくて、首を傾げてみていると、蒼空くんは右手で口元を隠してまだ笑っている。


「小さい日和が頑張って、飛んでゴール狙うけど変な方向に飛ばしてんの思い出した」

「なっ、笑わないでよ!」


 軽く肩を叩くと「あの日もそうやって怒ってたよ」と言って優しい笑顔をこちらに向けてくる。


「一生懸命頑張る日和が可愛いなって思ってた」


 さっきまでからかってきてたくせに、優しい表情と声でそんな風に言うなんて、本当にずるい。

 可愛いとか、そんな甘い言葉をたまに言ってくるから、今も照れ臭くなる。


「もういいから!行くよ!」


 さっきまで蒼空くんが引いてくれていた手を、今度は私が引いて歩き出す。
< 232 / 266 >

この作品をシェア

pagetop