君との恋は面倒すぎる
「薫、うるさい」


紗月が薫くんに言うと薫くんはつまらなそうな顔をしている。

蒼空くんはそもそも人前で感情をそんなに話す方じゃないから人前だと随分冷たく感じるかもしれないけど、そんなちょっと面倒くさいところも好きだから気にしていない。

両手で口元を覆ってニヤケを隠していると薫くんの呆れたような顔が目に入る。


「何でそんな幸せそうな顔出来んの。今そんな要素あった?」

「え、この面倒さが可愛いと思わない?」

「日和ちゃんの趣味わかんねー」


苦笑いする薫くんに私は分かってないなあとやれやれといったジェスチャーを取って蒼空くんを見る。

蒼空くんは変わらず参考書に視線を落としたままこちらの会話には耳だけ傾けている。

もはやツッコむ気は無いらしい。

横顔すらも格好いいってどういうことなんだろう。

ふと笑った顔は可愛いし、その真剣な顔は格好いいし。

特に何も考えてないボーっとした顔も気が抜けてて可愛いし、ブサイクな瞬間あるのかな。


「日和、集中して。」


蒼空くんに注意されてハッとする。

最近デートとかそんな時間は取れないけど残りの学校生活をこんなふうに一緒に過ごせるのは嬉しい。

残り半年、たくさん楽しもう。
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