龍神島の花嫁綺譚
陽葉が白玖斗と言葉を交わしたのは、龍神島に連れてこられた夜だけ。
それ以降も、菫色の着流し姿でふらりとどこかへ歩いて行くところを見かけるが、白玖斗は陽葉に目もくれない。
それなのに、陽葉のほうは、白玖斗の気配を感じるだけで胸がドキドキと鳴った。
初めて会ったときからそうだった。白玖斗を見るだけで、激しい胸の高鳴りと呼吸機能の異変を感じる。
自分に好意を向けてくる蒼樹や紅牙、中立的な態度で接してくれる黄怜といるときは自然にしていられるのに。
白玖斗のそばでは、自分が自分でいられなくなるような。そんな心地がする。
恋のときめきにも似ているような気もするが、元恋人の喜一にはこんな感情を抱いたことがない。
まるで魂から引き寄せられるような感覚にさせられるのは、白玖斗が初めてだ。
それ以降も、菫色の着流し姿でふらりとどこかへ歩いて行くところを見かけるが、白玖斗は陽葉に目もくれない。
それなのに、陽葉のほうは、白玖斗の気配を感じるだけで胸がドキドキと鳴った。
初めて会ったときからそうだった。白玖斗を見るだけで、激しい胸の高鳴りと呼吸機能の異変を感じる。
自分に好意を向けてくる蒼樹や紅牙、中立的な態度で接してくれる黄怜といるときは自然にしていられるのに。
白玖斗のそばでは、自分が自分でいられなくなるような。そんな心地がする。
恋のときめきにも似ているような気もするが、元恋人の喜一にはこんな感情を抱いたことがない。
まるで魂から引き寄せられるような感覚にさせられるのは、白玖斗が初めてだ。