Dearest 1st 〜Dream〜
「ねぇ、純…
まさか本当にアヤヤに殴られたの?」
──妙な緊迫した空気に、俺は窓に映る自分の姿を見た。
…昨日よりだいぶ腫れてしまった顔面。
唇の端が紫色に変色しているのが見えるが──…
──正直、別にどうでもよかった。
ただ、この傷を彩にすり替えて想像すれば背筋に寒気が走る。
「……なぁ、純…
マジで殴られたの?」
人一倍気を遣い、今にも死ぬかのような目つきで俺を見てくる吾郎。
「……んー、まぁそうやけど。
……彩の代わりに殴られただけ。」
「────はぁ?!」
瞬く間に三人揃って返って来た返事。
三人は目をパチパチさせながら、“信じられない”という表情を見せた。
「……彩にさ、たまたま会えたんやけど…
変なチンピラに殴られそうになってたとこに自分から巻き込まれた結果がコレや。」
………………
……ってあれ?
俺が話し終えて傷を指さしても…
「…………」
三人はまだフリーズしたまま口をポカンと開けたままだ。