Dearest 1st 〜Dream〜




「何や?みんなして黙って……」





「いや、だってさぁ…

ねぇ、ゴローちゃん!」





「うん…

まさか純が他人の為に自分から犠牲になるとはな…」





「──しかも毛嫌いしてた“女”っていう生物の為によ?」





「………」





……三人の話を聞いて、

自分で気づかなかった変化に初めて気付かされた。





──俺は心底、“女”という生き物が嫌いだった。





何を考えているかも分からないし、




何をそんな綿密に計算して動いてるのかも理解不能だし、




感情の波が激しくて、どう扱えばいいのか分からないし──…。





だから女友達は多いけれど、恋愛までには発展しない。





──…だから。





今まで女を突っぱねていた俺の行動、言動を知っているからこそ、




この三人を含め、俺自身も考えられないような事が現実になっている。






……そりゃあ、信じられないと言われても仕方ないなと思う。





実際、俺もよくよく考えてみたら信じられない。





──でも。





そんな変化さえも彩がくれたものだ。





だから強く、強く実感する。






俺は彩に恋をしていると。




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