Dearest 1st 〜Dream〜
「じゃあさじゃあさ!?
アヤヤにとって、純はまさにナイトだったって訳だ♪」
「…んー、あの時だけな。
でもさぁ…
何ていうか、気になる事あるんやよなー…」
「気になる事?何が?」
吾郎が自販機でジュースを選びながら、俺の返事を待つ。
──…気になる、というのは言うまでもなく、あの傷だらけの彩の姿。
ハッキリと鮮明に思い出せる痛々しくも生々しい傷。
「──…彩さ、傷だらけやってん。」
━━━ゴトン!
自販機からジュースが落ちてくる音と共に、またモヤモヤした気持ちが渦を巻いてくる。
「それってどんな傷?」
そう言ってマリアが缶ジュースを俺に渡した。
「……多分やけど……
殴られた後みたいな…」
「えぇぇ?!何でまた?」
壱が大きく目を見開き、俺に答えを求める。
「“聞くな”って雰囲気出してたし…
何か泣きそうになってたからさ…
多分言いたくなかったんちゃうかな…?」
俺が腕を組みながら頭を捻ると、
「──ねぇ、純。
その子、彼氏いたっけ?」
マリアが考えるようにそう口にした。