Dearest 1st 〜Dream〜




──これは俺の単なる推測にしか過ぎないけれど。





この一週間ずっと音信不通だったのは何でだ?






…そう考えると、やっぱり浮かび上がって来るのは、あの殴られた傷だ。





この一週間風邪で寝込んでいたと言うのも、本当は殴られたからで…





そのショックからまさか…







「──…自殺未遂…?」





「……え……?」






──自分から言葉に置き換えておいて、寒気が走った。





単なる予測にしか過ぎないと言い聞かせているのに、





ただの仮説だと頭では分かっているのに──…





考えれば考える程、

散らばっているパズルのピースがはまるように当てはまってくる。






「…自殺未遂って…

何でまた……?」





吾郎が止まったようにそう尋ねる。





「殴られた跡とは別に、

手首に深い切り傷あったんやよな…」






「──…自分で切ったって事?」





「うん、だってあんな深い切り傷、それしか考えられんくない?




殴られた後に憔悴して…




死のうとして自分からあんな傷──…」







──そこでゾッとした。






彩が……






もしかしたら、






もう目の前からいなかったかもしれないんだから。



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