Dearest 1st 〜Dream〜
「あれでも純の事心配してるんだよ。
……もちろん、俺もね。」
吾郎は優しい眼差しで遠くでまだ言い合っているマリアと壱を見つめてそう言った。
「………」
……分かっていた。
昨日の夜、落ち込み様がハンパない俺を待っていたのは、
『おかえり、純。』
──…かけがえのない仲間の温かさだった。
夜から朝にかけて飲み明かし、カラオケで叫び、今こうやってボーリングで弾けている。
「無理せんと俺に付き合わんでえぇのに…」
「──…無理だよ。
何だかんだいいつつ、みんな純の事慕ってるんだから。」
口ではこうやってつい正反対の事を言ってしまうけど。
本当は、心の中で人の温かさに泣いていた。
何も言わずとも、きっと感じて思っている事はみな同じ。
「でーっ?
結局アヤヤは目の前にいるナイトより、遠い憧れの王子様に夢見てるってワケだ♪」
壱は再び球を投げながらそう言った。