Dearest 1st 〜Dream〜
でも、どうしてだろう。
彩の幸せそうな笑顔を頭に浮かべてみれば、心がとてつもなく傷むんだ。
泣かないで欲しかった。
笑っていてほしいと、切に願っていたはずだった。
彩の幸せを最優先に考えた結果、選んだ道なのに。
もうすぐ、あの大好きな笑顔に会えるのに。
何で、俺は泣きそうになっているんだろう?
「───…っ」
切なくて苦しくて
涙と声を殺したのは初めてだった。
俺のように、ずっと叶わない思いを彩にはさせたくなかった。
悲しい気持ちになるのは俺だけでいい。
……だから、
どうか彩は幸せになって。
俺の分も笑って。
彩への気持ちを考えれば浮き上がる、優しくも温かくなれる心と
俺の気持ちを考えれば浮き上がる、悲しくも切ない心が混ざり合って…
俺は“どうしたいんだ”だと呟いた。
───…彩……
少しは
君の役に立てたか…?