Dearest 1st 〜Dream〜
「うまかった♪ご馳走さん♪」
朝飯を食べ終え、大学に向かう為着替えをしていた時。
────♪♪♪…♪
………ん?
俺のケータイが着信音とランプを放った。
…誰やろ?
【着信;チヒロ】
──チヒロ?
珍しい着信相手に首を傾げながら、肩でケータイを挟み通話ボタンを押した。
「──…はい?」
『あっ、朝岡さんっ?
おはよーございますっ★
チヒロですっ♪』
「おー朝から元気がいいねぇ君は。どないした?」
いつも通り香水をほんの少し手首に馴染ませ、時計をかけながら話しかけると──…
「あっえっとですね♪
もう少しで文化祭あるんですよ~っ♪」
「おぉっ♪
そう言えばそんな時期やったなぁ!」
毎年、OBとして招かれる高校の文化祭。
自分達の学園祭で頭がいっぱいだったから、チヒロに言われるまで気が付かなかった。
「朝岡さん、今年もいらっしゃいますよねっ?♪」
「あぁもちろん──…」
────………。
車の鍵を手に取ってから、一瞬返事に詰まってしまう。
高校に行くって事は……
彩に会うかもしれないって事か……
「──朝岡さん?」
「あ、あぁごめんごめん!!
もちろん行く行く♪」
気づかれないように明るく振る舞えば、
「よかったぁ~♪
うちのクラス、喫茶店するんです♪
朝岡さん、是非チカさんと来て下さいね!!
最近チカさん見てないから会いたいって伝えて下さいっっ♪」
「わかった。ありがとう。」
バサッと上着を羽織り、俺はチヒロとの通話を終えた。
……文化祭か……