Dearest 1st 〜Dream〜
「………うん。
まだチカには言うてないけどな。」
俺が頷いて返事をすれば、吾郎、マリア、壱達は複雑な表情で顔を見合わせている。
「へぇぇぇぇ~!!!!!!!
そっかぁ~…
二人が結婚かぁ………
悪いけど、あたし二人が結婚するなんて夢にも思わなかった!!」
早希は悪びれなく、ケラケラと明るく笑う。
「……やっぱそう思う?」
「思う思う!!!!
思うに決まってるじゃん!!
だって高校ん時、あんた達二人どんだけ仲悪かったのよ?
───ねぇ椎葉くん?」
「……あ、うん…」
急に話を振られ、流されるままに相槌を打つ吾郎が苦笑する。
「そ・れ・に!
朝岡くん、全然チカと付き合ってる感じ出さなかったし!!」
「……あはは……」
「……でも、まっ♪
チカは朝岡くんにベタ惚れだもんね♪
ケンカするほど仲が良いって言うし、これも運命なのかもねっ♪」
「…………」
…………運命…………
「それにしても……
何で今急に結婚しようなんて思ったの?
朝岡くんもチカもまだお互い大学生でしょ?」
─────…うっ。
ペラペラ喋り続けた結果浮上した疑問に、早希は自ら首を傾げる。
……さすが、早希だ。
当時吾郎と一緒になって、俺とチカのケンカを止めていただけの事はある。
ほんま鋭いのは昔っから変わらん………。
────……ハァ……
「……ちょっと……ね。
結婚せねばならん事情が出来まして……」
「─────…事情?
………ってまさか……」
“参った”とばかりに溜め息を付く俺を更に見抜き、
「えぇぇぇぇぇ!?!?!?
まっ……まさかまさかまさか!!!!!!!
………で、デキちゃったの!?!?!?」
早希は絶叫にも近い悲鳴を上げた。