Dearest 1st 〜Dream〜
彩と連絡が付かなくなって数日が経った。
未だに電話しても繋がらないケータイに、募る不安を隠せなかった。
──…そして…
今日もやっぱり彩の姿はない。
「…あれから彩に電話繋がったん?」
俺は我慢出来ず、ぶんに聞いた。
「あ、はい。
あれから一回だけ桜井さんから電話掛かって来たんですけど……」
────…!
「えっ?!掛かって来たん?!」
「はい。」
予想外の返事に、思わず声を張り上げる。
「ほんで?何て?」
「いや…
それがすぐ切られちゃったんですよ…」
「……え……」
「それから何回電話掛けても出ないし、今も─…」
「……………」
あまりに不自然だ、と言うぶんの話に俺も戸惑いを隠せない。
不安が体を駆け巡る。
──…彩。
この気持ちが何だか、
俺はようやく理解出来た。
まだ一回しか顔を合わせていないけれど。
数回会話を交わして、
数回メールをしただけだけど。
こんなにも、毎日毎日君のことばっかり考えている。
君を思えばふいに笑顔になって、
君がいないとこんなにも不安で切なくなる。
彩………。
彩─────……。
────確信した。
君が、
好きだ。