Dearest 1st 〜Dream〜
──……それからは…。
彩に会えると思っていた俺のテンションはもうガタ落ちで。
彩の喜ぶ顔が見たかった差し入れも、意味無しで。
結局───…
彩はその日一日、部活に顔を出す事がなかった。
空が夕陽に輝き出した頃──…
もう一度彩に電話を入れてみるも、やっぱり電話は繋がらない。
「……彩、来なかったですね。」
同じ新入部員のキョーコがそう話し掛け、俺は慌てて顔を上げる。
「あぁ、せやな。
何かあったんかな…?」
「んー…どうだろう?
彩、毎日ずっと部活来てたし…」
「……そっか…」
「まぁ明日には、顔出すんじゃないですかね?」
……キョーコが何の根拠もなしに言ったこの言葉に期待をかけ、次の日にまた部活に訪れてみるも──……
やっぱり、
彩が部活に顔を出すことはなかった。