The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
ちなみに。
その日、帝国騎士団四番隊隊長のルーシッドが、王宮に戻った後。
偶然、オルタンスと、そのオルタンスと一緒に話し込んでいたアドルファスに、廊下で遭遇した。
「あ…オルタンス殿、アドルファス殿も」
「あぁ…ルーシッドか。今日はルレイア達と打ち合わせじゃなかったのか?」
「はい…今、終わって帰ってきたところです」
「そうか…。ルレイアは何か言っていたか?」
「…」
ルーシッドは思い出す。つい先程、俺に言われたオルタンスへの伝言を。
ルーシッドは悩む。その伝言を、オルタンスに伝えて良いものかと。
黙り込むルーシッドに、オルタンスはきょとん、と首を傾げていた。
すると、アドルファスが、
「何でも言っちまえよ。どうせオルタンスは、何言われてもへっちゃらなんだからよ」
「そ…そうですか」
ならば…と、ルーシッドはぽやんとしているオルタンスにこう言った。
「…その…。帝国騎士団の制服は…真っ黒に染めるべきだ、と…」
「…」
オルタンスは真顔で、アドルファスはちょっと噴き出していた。
この場に俺がいたら、きっと大爆笑だったことだろう。
オルタンスはどんな反応をするのだろうかと、ルーシッドは内心はらはらしていたに違いない。
しかしこの男が、そんな深刻に物事を考えている訳がない。
案の定、オルタンスの第一声は。
「…アドルファス…。仕立て屋に頼んで、とりあえず色違いで黒の制服を発注してみようか」
「…お前、本気にしてんのか?」
「制服が黒くなったら、格好良い制服着たさに、ルレイアが戻ってくるかもしれない」
「…」
それはない。
アドルファスもルーシッドもそう思ったに違いない。
後で聞いたところによると、オルタンスは本気で「帝国騎士団の制服を黒にする」という案を帝国騎士団隊長会議で打診したものの。
敢えなく全員の反対を受けて、渋々諦めていたそうだ。
お遊戯会でもやってんのか。あいつらは。
その日、帝国騎士団四番隊隊長のルーシッドが、王宮に戻った後。
偶然、オルタンスと、そのオルタンスと一緒に話し込んでいたアドルファスに、廊下で遭遇した。
「あ…オルタンス殿、アドルファス殿も」
「あぁ…ルーシッドか。今日はルレイア達と打ち合わせじゃなかったのか?」
「はい…今、終わって帰ってきたところです」
「そうか…。ルレイアは何か言っていたか?」
「…」
ルーシッドは思い出す。つい先程、俺に言われたオルタンスへの伝言を。
ルーシッドは悩む。その伝言を、オルタンスに伝えて良いものかと。
黙り込むルーシッドに、オルタンスはきょとん、と首を傾げていた。
すると、アドルファスが、
「何でも言っちまえよ。どうせオルタンスは、何言われてもへっちゃらなんだからよ」
「そ…そうですか」
ならば…と、ルーシッドはぽやんとしているオルタンスにこう言った。
「…その…。帝国騎士団の制服は…真っ黒に染めるべきだ、と…」
「…」
オルタンスは真顔で、アドルファスはちょっと噴き出していた。
この場に俺がいたら、きっと大爆笑だったことだろう。
オルタンスはどんな反応をするのだろうかと、ルーシッドは内心はらはらしていたに違いない。
しかしこの男が、そんな深刻に物事を考えている訳がない。
案の定、オルタンスの第一声は。
「…アドルファス…。仕立て屋に頼んで、とりあえず色違いで黒の制服を発注してみようか」
「…お前、本気にしてんのか?」
「制服が黒くなったら、格好良い制服着たさに、ルレイアが戻ってくるかもしれない」
「…」
それはない。
アドルファスもルーシッドもそう思ったに違いない。
後で聞いたところによると、オルタンスは本気で「帝国騎士団の制服を黒にする」という案を帝国騎士団隊長会議で打診したものの。
敢えなく全員の反対を受けて、渋々諦めていたそうだ。
お遊戯会でもやってんのか。あいつらは。