The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
さっきの店では、ゴスロリと言っても、黒い生地に白いリボンとか、黒いリボンに赤いレースとか、色んな色を使った服が並んでいたけど。

この店は違う。どれもこれも、全て、黒一色。

ボタンの一つから、使っている糸に至るまで、全てが真っ黒。

何なんだ。このルレイアにしか需要のない店は。

「新作って何処ですか?」

「は、こちらになります」

店長らしき人が、奥からルレイア用の新作を持ってきた。

これまた、見事に全部真っ黒。

「如何でしょうか」

「ふーむ…。今回の新作はなかなか良いですねぇ」

「ありがとうございます」

ハンガーにかかった黒い服を、一着一着吟味するルレイア。

俺にはどれも…全く同じものにしか見えないんだが。

全部黒。そして派手。

それでもルレイアが着たら似合うんだよな、あれ…。

今日は買うのかな?

「よし、じゃあここからここまで…全部買います」

「ありがとうございます」

…人生で一度は言ってみたい台詞だよな。

『青薔薇連合会』の幹部ともなれば、金には困らないけど…。服に頓着しない俺にとっては、着るものを大人買いなんて、したことがない。

まぁルレイアの仕事は…見た目を飾ることはとても大切だから。

それにしたって、この買い方。

成程、ルレイアの為に新作を取り置きする訳だよ。

超VIPじゃん。

「それと、今日はこっちの男性三人も服を選んであげたいと思ってましてね。もう少し見ていきますね」

「そうでしたか。分かりました」

…ん?男三人?

「特に、ここにいるルルシーは俺の恋人で、これから俺と同じくここの常連になる予定なので、サービスしてあげてくださいね」

「かしこまりました。どうぞ宜しくお願い致します、ルルシー様」

店員達は、新たなVIP客を見つけたとばかりに、腰を折って俺に頭を下げた。

「は!?ちょ…!はぁ!?」

「早速ですが、ルルシー様。こちら、当店のカタログになります。気になる商品がおありなら…」

「ルレイアっ!勝手なこと言うな!」

気になる商品なんかあるかっ!

何で、俺まで巻き込まれなきゃならんだ!?
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