The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
この期に及んで、憲兵局には無能しかいないな。

私は、憐れな同僚達を眺めながら、再度そう思った。

憲兵局と『青薔薇解放戦線』の戦争。

実際のところ、どちらが優勢なのか。

それは言うまでもない。『青薔薇解放戦線』は所詮、烏合の衆だ。

武器の扱い方もろくに知らず、兵士としての戦い方も知らない連中。

そんな奴らと、仮にも一刻の軍隊である憲兵局が戦えば、どうなるか。

憲兵局が圧倒的優勢に決まっている。

兵士の数はほぼ拮抗しているものの、戦い方も知らない兵士など、それは兵士とは呼ばない。

ただのカモでしかない。

だから憲兵局はほんの少しも焦る必要はなく、正々堂々と戦って、『青薔薇解放戦線』を潰せば良い。

革命軍なんて、何の脅威にもならない。

…革命軍が、『青薔薇解放戦線』だけだったら…の話だが。

どうして、憲兵局がここまで焦っているのか。

顔面蒼白で怒号を飛び交わし、責任の擦り合いが始まっているのか。

その理由は、ただ一つ。

脅威なのは、『青薔薇解放戦線』ではない。

『青薔薇解放戦線』を支援し、共に戦う仲間。

『青薔薇連合会』だ。

…また、あいつら。

いつだって脅威になるのは、あの男なのだ。

あいつが革命軍と組んで、憲兵局を倒す。

前にも聞いたことのあるような話じゃないか。

今度はどうするつもりなんだ?また土壇場で裏切って、今度は憲兵局の味方をするつもりか?

私は、きつく拳を握り締めた。
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