The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
「全く、箱庭帝国の軍人ってのはどいつもこいつもびびりですねぇ」

「…死神モードのお前に狙われたら、そりゃ逃げたくもなるだろ…」

あれ?ルルシーが何か呟いてる。

聞こえなかったことにしよう。

俺ほど優雅に、かつ華麗に美しく戦争する奴なんていないぞ?

「…それにしても、確かに敵が少ないな」

「ですよねぇ」

もう帝都も近いはずなのに、この敵の数の少なさは何なのか。

兵の展開が間に合ってないのか?俺達二人だけ、随分突出してしまってるからな。

後方では、ルアリス達が主力とぶつかっている可能性がある。

だとしたら、戻った方が良いのだろうが…。

「…抗争中の俺の辞書に、『後退』の二文字はない。突撃あるのみですよルルシー」

「お前って奴は…。少しは協調性というものを覚えたらどうだ?」

「俺ほど協調性のある人間はいませんよ。どんなに乱暴な敵でも、殴って黙らせて手を取り合うことが出来ますからね」

「…」

あ、こいつもう駄目だ。みたいな顔で俺を見ないで、ルルシー。

どんなに騒がしい奴だって、殴れば静かになる。その上で、仲良く対等に、お話し合いをしようじゃないか。

それが平和の第一歩というものだろう?

「さてと…そろそろ帝都が近いですね」

「あぁ」

では帝都に殴り込みを、と思っていると。

俺達の後ろから、走ってくる者がいた。

「ルレイア殿!ルルシー殿!」

「あ?」

あんまり滾っていたので、一瞬敵かと思って殺しそうになった。

よく見たら、仲間だった。
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