The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
危ない危ない。うっかりぶっ殺すところだった。

見覚えがある顔だから、仲間だ。

「えーと、あなた、確か名前…ルナニアでしたっけ?」

「え?いや、ルアリスですけど…」

「あぁ、ルアリスか…。そういやそんな名前でしたねぇ」

「…」

死神モードのときはどうにも、人の名前がなかなか出てこなくて困る。

「ルナニアはお前だろ…」

ルルシーがぽそっ、と呟いていた。そういやそうだったな。

似たような名前が多くて困る。

「で?そのルアリスが何でこんなところに?後方で戦ってたんじゃないんですか?一人で逃げてきたんですか」

「い、いえ…。敵はほとんど…その、ルレイア殿とルルシー殿が掃討してくれたので…」

「俺じゃないぞ、ほぼ全部ルレイアだ。俺はルレイアが斬り漏らした敵を軽く摘まんだだけで、大半はルレイアがぶったぎった」

え。そうなの?

流れ作業みたいにぶったぎってたから、全然分からなかった。

「そ、そうですか…。さすがルレイア殿…。敵に回すと正に死神ですね…」

「あ゙ぁ?」

「すっ、済みません。何でもありません」

あぁ、そうかい。

ったく、良い気分で無双してたのに、水を差された気分だ。

「にしても…俺がぶったぎったのがほぼ全部、ですか…。ルルシー、これって…」

「あぁ…。敵の数が、いくらなんでも少な過ぎるな」

最低でも、この十倍はいなきゃおかしいはずだが?

憲兵局の奴ら、何処に行きやがった?

国外逃亡の準備でもしてるのか?

それとも…。

「我々もそれを危惧しているんです。敵が少な過ぎます。よもや…帝都に籠城しているのでは、と…」

「あー…」

余計なことを言って、ルアリスがフラグを立てるものだから。

面倒な展開になってしまった。
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