The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
…何が、楽しくて。

ルレイアとデートしなきゃならないのか。

「うふふ。うふふふ~」

「…」

ルレイアめっちゃ嬉しそうだから、別に良いけどさ。

問題は、このルレイアが全身からむんむんと放っているルレイア・フェロモンだ。

昼間に外に出るんじゃねぇ。公共の迷惑だろうが。

「ルルシーとデート~♪嬉しくて、濡れてきちゃいそうです…」

「…」

雲行きが怪し過ぎて、引き返した方が良いんじゃないかと思えてくる。

見てみろ。道行く人が俺達を見て、ひそひそしてるじゃないか。

このままだと、街中をエロい人が闊歩してる、と通報されかねない。

「…ルレイア、デートなら付き合ってやるから…。フェロモン出すのやめろ」

「え~?」

「公共の迷惑だ」

「もー…。仕方ないですねぇ。じゃあちょっと…フェロモンレベルを下げますか」

下げられるのなら、最初から下げておいてくれ。

とりあえず、昼間の世の中を歩いても通報されない程度には。

「さぁてルルシー、何処にデートに行きます?」

「ん?何処でも良いよ…。ホテルとかでなければ」

「ちっ…しっかり予防線張ってきやがった」

当たり前だろうが。

俺はお前のハーレムの会員じゃないんだぞ。

「今日の主役はルルシーなんだから、ルルシーの行きたいところに付き合ってあげますよ」

「と言われてもなぁ…。特に行きたいところもないし…」

ルレイアといつも出掛けるところと言えば…大抵カラオケとか…。バーに飲みに行くこともあるけど。

「折角昼間に出てきたんですし、学生デートっぽいことしましょうよ」

「学生デートって…?」

「遊園地とか~、映画館とか~。ゲームセンターとか~。あとはカフェでお茶デートとか」

「おぉ…。お前にしてはまともじゃないか」

素晴らしく健全なデートじゃないか。やっぱりこうでないとな。

「さぁ、何処にします?」

「そうだな…。ルレイア。今、観たい映画とかあるか?」

「そうですね…。丁度今、某有名ホラー映画の新作が上映されてるそうですよ。観に行きません?」

ホラー映画?

そんなのやってるの?映画、詳しくないからよく知らないが。

「ルレイア、お前ホラー映画なんて好きだったっけ?」

「別に興味ないですけど、ワンチャンルルシーに抱きついてもらえるかなぁと思って」

残念ながら、その可能性はゼロだ。

まぁでも、悩んでる時間も惜しいし。

「じゃ、他に行くところもないし…映画館行くか」

「はーい」

ルレイアはにこにこと俺の腕に抱きついた。

「うふふ。ルルシーとデート…。うふふふ…」

「…」

幸い、フェロモンレベルが低いからそこまでの脅威ではないけど。

一応俺達、男同士だからな?

公共の場でいちゃつくのやめろ、と言おうとしたものの…。

…以前の死神モードと比べたら、可愛いものじゃないか。

それだけ今が…平和だってことだよなぁ。

そう思うと、何も言えなかった。
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