The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
制限時間があると知って、途端に焦り始めた。

とにかく、三枚共何かのスタンプは貼ろう。

もう何でも良いや。とりあえず適当に…この星マークで。

よく見たら、スタンプの大きさを変更出来ることも今になって知った。

こんな機能あったのか。さっきまで全部、同じ大きさのスタンプを貼りまくってたよ。

気づいたのが遅かった。

あわあわしている間に、タイムアップ。

印刷が始まってしまった。

「うふ、楽しかったですね~ルルシー」

「…」

何て言うか…ルレイアに申し訳ない。

印刷されたものを見るのが怖い。

しかし。

「あ、出てきましたよ」

印刷されたプリクラを確認する。普通の写真よりずっと小さいのがせめてもの救いだが。

酷いだろうなぁと思ってたけど、本当に酷い。

ルレイアの落書きの、上手いこと上手いこと。

ルレイアはペンやスタンプを巧みに使いこなしていた。

きらきらの赤ペンで「相思相愛(ハート)」とか書いてるし。

適当書きやがって、お前。

しかもスタンプ。俺のようにひたすらスタンプを乱立させるのではなく、大きさも使い分けて、効果的なスタンプの使い方をしている。

それは良いけど、俺とお前の間にでっかいハート貼るのやめろよ。

プリクラ映りと良い、この落書き技術と良い、ルレイアはプリクラのプロだ。

「上手いな…お前」

初めてじゃないだろ。絶対。

「それはまぁ。たまに女子高校生と遊んだりもしますからねぇ」

やっぱり。犯罪だぞお前。

「ごめん…俺、下手くそで」

「良いですよ。ルルシーとのプリクラってだけで、俺にとっては一千万の小切手よりも価値のあるものですから」

ルレイアはほくほくと、嬉しそうにプリクラを眺めていた。

…まぁ、ルレイア喜んでるみたいだから、別に良いか。

落書きが下手なのは仕方ないとして、せめて写真映りはもう少し良くなりたいな…。
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