The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
日付が変わる頃に、『青薔薇連合会』の本部に来る、とルニキスは言っていた。

しかし俺は、その言葉をまともに信じてはいなかった。

ルレイアを闇討ちしたような人間だ。どんな汚い手段で攻め入ってくるか分かったものではない。

そう思っていた。

…だが。

『あ、本当に誰か来た』

『青薔薇連合会』本部の正面入り口を狙えるように待機していたアリューシャが、間の抜けた声で報告した。

…誰か来た、だと?

「アリューシャ…背格好はどんな感じ?武器は持ってる?」

アイズが尋ねると、アリューシャは、

『うーん…。豆粒サイズ』

「アリューシャ、スコープ越しのサイズじゃなくて、実際のサイズを憶測してくれる?」

『んー…。3メートル?』

巨人かよ。

こんなお粗末さで、よくスナイパーが務まるな。お前は。

しかし、長年アリューシャの保護者を務めるアイズ、このくらいでは動じない。

「分かった。じゃあ武器は持ってる?仲間は?」

『武器は持ってそうだけど…あ、やっぱり持ってなさそう。いや待って。でも実は持ってそうな感じ』

頼りにならないことこの上ない。

武器は持ってると思っていた方が良いな。

「仲間は?」

『アリューシャスコープの範囲内には見当たらないね。一人だよ』

信じて良いんだな?そのアリューシャスコープ。

それにしても…一人でのこのこやって来るとは。

自殺願望でもあるのか?本当に。

「…よし。俺が先攻するから…。援護を頼む」

俺は拳銃を手にそう言った。

悪いが、これだけは誰にも譲るつもりはなかった。

アイズもそれを分かっているらしく、止めはしなかった。

代わりに。

「気を付けてよ、ルルシー。それからアリューシャ…敵がルルシーを攻撃したら、迷わず撃って。良いね?」

『何処撃つの?足?土手っ腹?心の臓?殺して良いの?』

「殺さないで。ルレイアの言葉の真意が分からない以上は、出来るだけ無力化を狙う。でももし、不測の事態が起きて…殺さなきゃルルシーが危ないと思ったら殺して。躊躇わないで」

『りょ。ルル公~、健闘を祈るぜ』

「お前もな、アリューシャ」

こんな奴ではあるが、スナイパーとしての腕は確かだ。

それに、アイズの指示もある。信用して良いだろう。
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