The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
「そ、そんな…。フューニャが…フューニャが帰ってこないなんて…」

この世の終わりだ、と言わんばかりにルヴィアはがくん、と膝をついた。

ちょ、馬鹿ルレイア。お前余計なことを。

「ルヴィア落ち着け。まだ帰ってこないと決まった訳じゃ」

「もうあれでお別れなんて…そんな…そんな…」

ルヴィアを何とか助け起こそうと駆け寄ると、ルヴィアは、

「…ルルシーさん」

掠れた声で、俺にこう言った。

「…フューニャが帰ってこなかったら、俺…マフィアやめて、箱庭帝国人になります」

「…そうか」

そこまでして嫁と一緒にいたいか。そうだな。お前はそうだな。

止めはしないから、そんな泣きそうな顔で言うな。

「うぅ…。フューニャ…。フューニャ…」

「…」

…もう何と言って慰めてやれば良いのか分からない。

気の毒過ぎる。

そしてルレイアは、懲りずにまた余計なことを言う。

「寂しいなら俺のお古、何人か貸しましょうか?やることやってたら寂しいのも忘れますよ、きっと」

そんな方法で寂しさを紛らせようとするのは、お前くらいだ。

「ありがとうございますルレイアさん。でも俺は…今、全く元気がないので…。やることやる気にもならないです…」

「はぁ。使い物にならないんですね。本当に重症ですね」

「…うぅ…」

…ルヴィアに仕事頼もうと思ってたけど、これは無理そうだな。

仕事頼む前に、まず飯食わせて寝かせた方が良さそう。

このままじゃこいつ、嫁欠乏症で倒れかねん。

「ルヴィア…。今日、あれだ…。寿司食べに連れてってやるから…元気出せ」

仕事を頼む代わりに、夕飯奢ることにした。

「えっ、良いなぁ~!俺も行く~!俺もルル寿司食べたい~」

「お前は元気一杯だろうが。ついてきても良いけど、自分のぶんは払えよ」

「払う払う。払いますから連れてってください」

まぁ…それなら良いか。

とりあえず、このルヴィアをなんとか元気付けてやらんと…。

ルヴィアの嫁…ちゃんと帰ってきてくれると良いのだが…。
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