The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
…それで。

「…で、何しに来たのシュスリーは」

「…君ね。もう少し感動はないの?」

「感動はしてないなぁ。生きてて良かったとは思ったけど」

「そうかい」

もう少しこう、泣いて喜ぶとかすりゃ良かったのかね。

いや、泣きはしないな。シュスリーは多分生きてるだろうと思ってたが。

「『Sanctus Floralia』の皆は元気?」

「皆元気だよ」

それは何より。

「アリューシャには、新しいお仲間が出来たんだよね?」

「うん」

「良いお仲間なの?」

アリューシャのお仲間?

アリューシャのお仲間、ってーと…。

「変態揃いだぜ。エロ魔神と死神を足して2で割ったような黒い変態とか、その変態に唯一首輪つけられる変態と。あ、でもそいつ料理上手いぜ。いっつも食べさしてくれんの」

「うんうん、それから?」

「あと、黒い変態のことが大好きなゴスロリっ子もいる。それから最近また変態が追加されて、しかも仮面つけてるから本物の変態仮面だよ」

「…変態しかいないね、君のお仲間。…大丈夫?」

「これが意外に大丈夫なんだよ。変態まみれなんだけど」

もしかして、類は友を…って奴なんだろうか。

ということは、アリューシャも…?

…いや、アリューシャはノーマルだから。

「それに、一番仲良い人は変態じゃないんだよ。アリューシャと同じでノーマルなの」

「ほう?」

「いっつもアリューシャが遊びに行くと、おやつくれんの。優しいし。だからアリューシャはその人のこと大好きなんだぜ」

勿論、今アリューシャが待っている彼のことである。

「それに、変態ばっかだけど、アリューシャの仲間は、自慢のアリューシャの仲間なんだぜ。多分『Sanctus Floralia』にも負けない」

「それはそれは。私達もうかうかしてられないね」

全くだ。

「そっか…。…アリューシャは、良い仲間に恵まれたんだね」

「うん」

「じゃあ、今は幸せ?」

幸せ?

幸せ…なのかなぁ。自分ではいまいち、よく分からないけど。

少なくとも、シュスリーと初めて会ったときのような、ゴキブリアリューシャだった頃のアリューシャに比べたら。

「…うん。幸せかな」

いつまでも皆と一緒にいられたらって思うんだから、そりゃ幸せだろう。

「それは良かった…。うん。君をそちら側に返して、本当に良かった」

「…」

アリューシャも良かったと思ってるよ。

シュスリー達と一緒にいても、それはそれで幸せだったと思うけどね。

「…さて、時にアリューシャ。君、今困ってるんだったね?」

「…あ?」

「隠しても無駄だよ。『愛国清上会』だっけ?君達を悩ませてるのは」

…こいつ、なぁんでそこまで知ってんだ。

やっぱり変態だな。

アリューシャの周り、変態だらけ。

このままじゃ、うっかりアリューシャまで変態になりそう。

「そりゃま~…。困ってるけどさ」

主に、アイ公とかルリ公が。

「ふふふ。じゃ、君の頼れる大師匠が、君を助けてあげよう」

「…?」

「はい、これ」

シュスリーは、アリューシャの手に名刺サイズの紙を握らせてきた。

…何ぞや、これは?
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