The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
「これ何?」

見ると、その紙には見たことのない住所が書き記してあった。

…何処の住所?これ。

「『愛国清上会』の秘密基地。そこを潰せば君達の勝ちだ」

「…」

…前々から、おっかしい奴だなとは思ってたが。

シュスリー。お前一体何者だ。

「どうやって調べたの?」

「それは企業秘密★」

…ちょっとルレ公に似てるな、って思った。

「でも確かな情報だから、信用して良いよ。君に嘘はつかないからね、私は」

「…まーシュスリーがくれる情報なら、信用出来るけどさ」

ここに書かれているのが『愛国清上会』の拠点なんだとしたら、そうなんだろう。

それは良いとして。

「何でその情報をアリューシャにくれるの?」

「んー?私の…可愛い愛弟子の成長を称えて、ちょっとしたプレゼント」

何だそりゃ。

「それにね、彼らの研究してる化学兵器…『MY-3』だっけ。あんなものを使われちゃ、私達も困るんだよ。だから君達に止めてもらおうと思って。そういう意味もあるの」

「アリューシャ達を利用しようってのかよー」

拠点知ってんなら、そっちで止めてよ。

ケチだなー。

「あはは、仕方ないじゃん。『Sanctus Floralia』は、そちら側のことには関わらないんだよ。だから君に託す。頼めない?アリューシャ」

ったく、卑怯な奴だよ。シュスリーは。

そんなん言われたら、嫌ですなんて言えないじゃん。

「しょうがない奴だな、全く。仕方ねぇからアリューシャ達がやってやるよ」

「頼もしいねぇ。君の成長が嬉しいよ、私は」

そうだろうそうだろう。

もっと言ってくれて良いよ。

「それじゃ頼むよ、アリューシャ。…悪魔みたいな連中だけど、君の仲間は大丈夫かな?」

「心配要らんよ。アリューシャの仲間には、悪魔すら泣いて逃げ出すような死神がいるからな」

「へぇ?」

「おまけに、人類史上二番目に優秀なスナイパーがいるからな。負けるはずねぇぜ」

「…それって、アリューシャのこと?」

「他に誰がいるんだ?」

アリューシャ以上のスナイパーなんていないよ。

シュスリー以外には。

そのシュスリーの一番弟子なんだから、アリューシャが二番目。

しかし。

「残念だね、アリューシャ。君は二番目じゃない」

「えー」

二番目じゃないの?アリューシャ。

まだ他にも強いスナイパーが…。

「君は一番だ、アリューシャ。…人類史上、一番目に優秀なスナイパーだよ」

「…そなの?」

「そうだ。まぁ…技術は私の方が上だけどね」

…だよね。

あぁそうかい。そりゃそうだよな。

アリューシャが一番か。へへっ、そうかい。

「やるようになったろ?アリューシャ」

「あぁ、やるようになったよ」

「相変わらず、取り柄はこれしかないけどな」

その他はなーんにも出来ません。

アイ公とか、ルレ公とかルル公に頼りっぱなし。

狙撃以外は全く頼りにならないアリューシャです。

でも、シュスリーは。

「充分だよ。君はその道を誰にも負けないくらい極めたんだ。それは誇らしいことだよ。…前にも言ったでしょ?」

「覚えてるよ」

だから、アリューシャはこの道を極めたんだ。

「だから君はその腕を誇って良い。私にとっても誇りだよ…君のような弟子を持てたことは」

「そりゃ光栄だね」

アリューシャもシュスリーを師匠に持てて良かったよ。

そうじゃなきゃ、今ここにはいなかっただろうからね。
< 675 / 791 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop