The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
で、何でこんな状況になっているのか。

それは簡単。

俺達は、皆で遠足に行くのである。

行き先は何処かって?

グリーシュをそそのかして『セント・ニュクス』に化学兵器を造らせ、使わせたならず者共、『愛国清上会』の拠点である。

とんでもない悪党共のねぐらなんだから、そりゃあ楽しい遠足になることは間違いないよな。

俺も存分に楽しんでこようと思う。

それなのに、この面子にはげんなりする。

『青薔薇連合会』の仲間は良い。ルリシヤは無理しなくても良かったんじゃないかなぁとは思うけど。

この件は自分が招いたことだから、自分の目で最後まで見届けたいと言われれば、置いていくことは出来ない。

それに、忙しくしていた方が気も紛れる、と。

見たところいつもとあまり変わらない様子ではあるが、内心大荒れの空模様なのだろうな。

…で、問題は後ろのこいつらだよ。

帝国騎士団のトップ4がこんなところにいるなんて、一般人が聞けば目玉ひん剥くだろうが。

俺からすれば、ただのお邪魔虫だ。

そもそも何故こいつらが来るんだと言いたいが。

一応『愛国清上会』は化学兵器の製造に関わっている組織。帝国騎士団としても、無視は出来ないとか。

マフィアの抗争に帝国騎士団が首を突っ込むなよと、俺は言いたいが。

厳密に言えば俺達は『セント・ニュクス』に宣戦布告を受けたのであって、『愛国清上会』と戦争をしていた訳じゃない。

何より、『愛国清上会』は厳密にはマフィアではない。

ってか、マフィアかどうか分からない。

ただし、ならず者の連中であることは確かだ。

だから、帝国騎士団もこうして首を突っ込んできている。

俺達が「ちょっと敵の黒幕さんのとこ行って遊んでくるわ」と言ったら、「じゃあ俺達も」とくっついてきたのだ。

マジ邪魔。

「全く、良い迷惑ですよ。オルタンス達が来なければ、人目を憚らずにルルシーといちゃつけたのに~」

ルルシーの腕を胸に抱いて、俺は口を尖らせた。

「…今も充分人目を憚らずにくっついてきてるじゃないか」

ルルシーはぽそっ、と呟いて嘆息した。

聞こえなかったことにした。

誰がキモいって、オルタンスだよ。何でこいつまで来てんの。
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