レンアイゴッコ(仮)
「おー、シノ、柑花ちゃん、久しぶり」
カウンターの向こう側にいる、精悍な店主と目が合うと、快活な挨拶をくれた。
「どうも」
「お久しぶりです佐々木さん〜!」
二人で飲みに行く時は、大抵、会社の近くに店を構える焼き鳥店だ。このお店は東雲の高校時代の先輩である佐々木さんが経営している。
活気のある店内。仕事帰りらしい年配のサラリーマンたちが多い中、佐々木さんに促されてカウンター席に並んで座った。
「ようやく柑花ちゃん、フリーになったってわけか〜!待ってたよ〜!」
「ありがとうございます〜!とりあえず、生お願いします!」
「はいよ!」
このお店は目の前で店主が焼いてくれるスタイルなので、どれも今すぐ食べなくては!という使命感にも駆られてしまう。視覚的にも食欲がそそり、炭火焼きされたタレの甘辛い良い香りが更に食欲を刺激する。
何点か注文をして乾杯をすると、並々と注がれたビールをごくごくと半分程度飲み、息を漏らした。疲れきった細胞が生き返る心地である。
「んん〜……っ!この時の為に生きてる……!東雲、次何飲む?」
「お前ピッチ早すぎ。佐々木さん、梅酒ソーダ、優しめでお願いします」
「はいよ。相変わらずシノは世話焼きだね」
佐々木さんは納得した様子で、梅酒ソーダ、薄めで、とオーダーを通した。