レンアイゴッコ(仮)


「はあ、終わった〜!」

没頭していた目を休ませ、パソコンを閉じるとうーんと伸びをし、脱力させた午後8時。全社員定時で上がることを目標に、残業月35時間以内を掲げている弊社だけど、納期前の現場が定時で上がれることは早々ない。余っ程要領が良い社員以外は。

ということで、私は今日も少し残業。大きなプロジェクトを抱えてもないので、今残っているのは私と東雲と……

「あれ?世良さんは?」

「トイレ」

唯一の他人はいつの間にかお気に入りの場所に離席していた。

「またか〜……最近トイレ行き過ぎじゃない?」

「……新人が半年で三人辞めたから、圧力かけられてるらしいよ」

「え……あの人ああ見えて意外と繊細なの?」

見た目いかつく、ノリは体育会系の世良さんは副部長である。そんな彼の内側を垣間見て、その意外性に驚いていれば、東雲は無言で立ち上がった。

「つか、終わったらさっさと帰ろ」

「え、待っててくれたの!」

「今日、久々の金曜だろ」

言われて気付かされた。

「そうだった、ハッピーフライデーじゃん!」

お互い、恋人がいる時は2人では行かないけれど、フリーの時は毎週金曜日に' 1週間お疲れ会 'と称していつもの居酒屋に飲みに行く、というのがいつしか私たちの約束になっていた。
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