レンアイゴッコ(仮)
仕事中だからって東雲のことを舐めていた。完全に不意打ちである。そのまま東雲は腕を枕にして突っ伏してしまった。

「(なによそれ……可愛いんですけど)」

顔を隠したところで耳が感情を語っている。

「(東雲がそんなに鈴木のこと可愛がってとは……)」

宮尾ちゃんみたいに気さくで可愛げがあるなら分かるけれど、自由奔放な鈴木のことは嫌っていた気がした。どうやら私の勘違いだったらしい。


「東雲、ちゃんと他人に興味があるみたいで嬉しいよ」

「……はあ?」

「普段他人寄せ付けませんってオーラ出してるし、仕事もぜーんぶ一人でしたがるから心配してたんだよね」

「妃立とは組んでるでしょ」

「私だけじゃん」

「十分っしょ」


どこがよ……。

私より年上なのに、何故か子どものように不貞腐れている。超しごできのくせに我儘な東雲はチーフプロデューサーを任されると私としか組まないから、私は部長から、鈴木の教育係兼東雲の子守り役として認識されている。


「それより、なんで今日は気合い入れて定時上がり宣言してたんだよ」


まだ精神年齢が低くなった東雲が続ける。
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