Re:Love〜7年越しに愛されて〜



ーー夢じゃないかなんて、こっちの台詞だよ


心の中でそう言い、応えるように湊の名前を呼んだ。


「湊くんが好き。大好き」


柔らかな安心する湊の香りを感じながら日菜子はもう何度目から分からない言葉を告げた。

自分の語彙力の無さに悲しくなるけれど、どうしてもそれ以上の言葉が見つからない。

どう伝えれば、抱いている心の内を全て湊に伝えられるだろうか。
どうすれば湊の不安が拭えるくらいの愛情を分かってもらえるだろうか。


そんな事を考えながら目の前に見えた湊の首筋にそっと唇を当てた。

途端ビクリと湊の身体が面白い程に跳ね、呆気に取られて彼の顔を見た。

咄嗟に顔を隠したのか、手のひらで顔を覆っているが見え隠れする顔は真っ赤に染まっていた。


「それは卑怯だろ…」
「…嫌だった?」
「逆だ。好きな女から誘われてんだぞ、浮かれない男がいると思うか?」


言うや否や腕を引かれ、ワンルームの奥に置いてあるベッドへ押し倒された。


「据え膳食わねばってやつだな」


そうして湊は服を脱がそうと部屋着で愛用しているふわふわ生地のパンツに手を伸ばすが、日菜子はそれを止めはしないものの心配そうに声をかけた。


「えっと…結構飲んだんだよね?大丈夫…?」
「もう完全に醒めた。円周率100桁まで言えるぞ」
「…湊くん、これ何本に見える?」
「可愛い日菜の手」


本当に大丈夫だろうかと思ったが、半分は本当だったようでそのまま湊に抱かれて朝を迎えた。

因みに湊は昨晩のことは全て記憶にはあるようで、許容量のアルコールを超えると湊もまた泣き上戸になることを初めて知った夜だった。





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