Re:Love〜7年越しに愛されて〜
「ここだけの話にしてよ?双葉さんって悪い人じゃないのは分かるんだけど…私、ちょっと怖くて苦手なんだよね」
後輩からの率直な意見に胸に小さな痛みを感じながらも、日菜子はその場から動かず黙って聞いていた。
「確かに仕事はできるんだけど、だからかな…打ち合わせとかで何か質問しても『そんな事も知らないの?』みたいに思われてそうで、なんか緊張する」
「あー…」
思い当たる節があるのだろう、もう1人の後輩も言葉を濁した。
「優秀過ぎて気が休まらないってやつね」
「そう。だから癒しを求めて新人の子に走ったのかなあ〜って思うと…ね。あ!決して井原さんの肩持つ訳じゃないけどね!浮気は断罪されるべきだし!」
「それは確かに」
そうして次第に遠のいていく声に、日菜子は呆然と立ち尽くしていた。
確かに自分があまり愛想はない自覚はある。
黙って座っているだけなのに「何か怒ってる?」と聞かれることもままあった。
人見知りだから気を許すまでにはそれなりに時間がかかるタイプだし、周りの優秀な同僚達の足を引っ張らないように常に会社では気を張っている。
それがまさか、何の関係もない後輩達に威圧感を与えていたなどとは思いもしなかった。