Re:Love〜7年越しに愛されて〜
そう思うとそれまで胸の内で煮えたぎっていた元彼…井原への怒りが薄れていくのを感じた。
彼女達の言う通り、確かに浮気はありえないけれどあの男なりに何か思うところがあったのかもしれない。
「悪い遅くなった。ちょっと知り合いと話し込んでて…ってなに?なんでそんな狭いところいんの?」
そういうのが好きなタイプ?と笑いかけてくる先輩を見つめて思う。
入社して間もない頃にこうして穏やかな表情で話しかけてもらい安心した記憶が浮かぶ。
時々ポカをやらかしてもそれをフォローしてくれる人がいるのも、彼の人徳の成せる技だろう。
自分だって彼が困っていたら手を差し伸べたいと思う。
「何?そんなに見られると怖いんだけど」
「いえ…先輩を見習わないとなって思ってました」
「なになに、偶には可愛い事言うじゃん。よし、オニーサンがもう一本奢ってやろう」
「ありがとうございます」
もう一本も甘いカフェオレを選び、糖分過多じゃない?と笑われながら日菜子は内心自身の言動を省みつつ、オフィスへと戻って行った。