Re:Love〜7年越しに愛されて〜
那月がどうぞと言うように手のひらを差し出したのを確認してスマホを耳に当てた。
「もしもし」
『日菜、今いいか…って、外か?』
「うん。妹と食事に来てて」
どうしたのかと聞けば、湊は一瞬間を置いて続けた。
『それなら後でいい。家に着いたら連絡くれ』
「わ、分かった」
直ぐに電話は切られ耳からスマホを離すと、こちらをじっと見つめていた那月が口の端を上げた。
「お姉ちゃん顔に出過ぎ。そりゃあ湊さんもワンチャンあるかもって押し倒すわ」
「…そんなに?」
「嬉しいなら嬉しいってちゃんと伝えた方が良いよ〜」
そう言って肉を頬張る那月の言葉には少し思い当たるところがあった。
井原と付き合っていた頃、自分は素直に感情を表現していただろうか。
少し強引だったけど饒舌で明るい彼に寄りかかり過ぎて大事な事を疎かにしていなかっただろうか。
嫌われたくない、鬱陶しく思われたくないという気持ちばかりが先走って癒しを求めて浮気をさせてしまうほど、息が詰まるような空気を作り出していたのかもしれない。
そう思うと信じないと始まらないと言った那月の言葉はとても的を得ていた。
日菜子はずっと、湊が去っていってしまった時のような辛い思いを二度としたくないと思って自分を強く見せていたから。