こっから先ははじめてだから
ねえ先輩。冷淡冷徹無表情の発信源ってどこですか?
「憂《すぐる》さん、さすがに飲んでないだけあって全然酔ってないなあ。」
「え?水樹さん、お持ち帰り狙ってました?」
「皆狙ってるって!」
「朋政派の水樹さん、いずこへ?」
飲み会が終わって外に出れば、前を歩く憂先輩の背中を見て、水樹さんと白河さんがそんなことを言った。
先輩は私の而今以外、お酒は飲んでいなかったようで、確かに体幹がシャキーンとしっかりしている。
あれ?先輩、私の前でふにゃってたアレ。なんだったんです?
そんな憂先輩のスマートな背中。
たぶん、目視のメジャーでは刈谷1.25分くらいの背丈?183か4あたりかなあ。
モデル体型の憂先輩に率先して並びに行く一人の影。
バレッタで髪をハーフアップに留めた古馬都《こばと》さんが、憂先輩のお隣をキープする。
後ろから見る二人はお似合いで、水樹さんが課長代理らしからぬ舌打ちをした。
「古馬都相手じゃ勝ち目ねえな。」
「水樹さん、舌打ちが夜のネオンに響いてます。」