イケメン友達ドクターによる真夜中の診察は
「ディナーでもなんでも。もっと詳しく検査しようか」
 彼はそう言って私を立たせる。
 レントゲンかCTでも撮るのかな、と思ったらそうじゃなくて隣の診察用のベッドに誘導された。

 ハテナ、と思いながら座ると、ベッドに寝かせられた。
 彼は腰掛けたあと、半身を寝そべらせるようにして私の耳に顔を近づける。

「え、ちょっと、なに?」
「責任とって結婚する。だから今日から君は俺のもの」

 耳に触れるかどうかぎりぎりのところで囁かれ、吐息がかかった。私はまたぞくぞくっとして慌てて距離をとろうとするが、肩に載せた手にぐっと力を込められ、離れられない。

「や、そういう意味じゃ……」
 思いがけずどきどきして私は必死に顔を背ける。
 今までになかった距離感だ。そのまま覆い被さって来そうで、だけどそうじゃない、ぎりぎりの感じがさらにどきどきする。

 彼の手がそっと私の頬を撫でて、私はさらにどきどきした。
 彼はまた私に囁く。

「ふたりっきりの精密検査しようか」
「エロマンガみたいなこと言わないで!」

「そういうの読んだことあるんだ?」
「や、ちが、違うから!」
 私は真っ赤になって否定する。
 くすくすと笑って彼は体を起こし、私のことも起こしてくれる。

「気を付けて。迂闊なこと言うと、男はすぐその気になるからね」
 彼が注意するようにそう言うから、私はようやく、彼が警告のためにこういうことをしたんだとわかった。ああ、びっくりした。でも半分以上はただのからかいのように思える。

「やめてよね、からかうの」
「かわいいからつい」

「そういうのも駄目だし!」
 イケメンにかわいいなんて言われたら、気になって仕方なくなるじゃない。
「……自然なのがいいって言ってたから待ってたけど、もう待たない。これから覚悟して」

 彼の言葉に、私は首をかしげた。
 このあと彼が猛攻溺愛してくるなんて、予想もせずに。






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