異世界から本物の聖女が召喚されたので、聖女見習いの幼女は不要のようです。 追放先でもふもふとパパに溺愛されているので、今更聖女になんてなりません!
「司祭様。冷静さを欠けば、それだけ我々の夢が遠のいていくかと」
「しかし義娘は、公爵家の庇護下にある……。どうやって連れ出すのだ」
「強行突破しかないでしょう」

 聖騎士達は、ガンウの目的を叶えるためだけにいる。
 ここで有効活用しなければどこで使うのかと神官に言われた彼は、深く考え込む。

(聖女キララの件で、随分と数が減った。この状態で勝負を挑んだところで、勝てるわけが……)

 聖騎士達は命を賭けてまでガンウに従うほど、忠誠心が高くはない。

 負傷した仲間達を目にした彼らが、ハリスドロア公爵に恐れを抱いた姿を目の当たりにしているからこそ。
 勝てる見込みのない勝負を仕掛けて貴重な戦力を削るのだけは避けたかった。

(――待てよ)

 熟考の末、司祭はあることに閃く。

 聖騎士として紛れ込んでいた優秀な若者が、公爵家の息が掛かったスパイであったことを思い出したのだ。

(我々も、同じことをすればいい)

 今から潜り込ませるのは難しいだろう。

 あちらも聖女として覚醒した娘を守るべく、警備を強化するはず。
 ならばすでに公爵家で働いている人々へ身辺調査を行えばいい。
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