異世界から本物の聖女が召喚されたので、聖女見習いの幼女は不要のようです。 追放先でもふもふとパパに溺愛されているので、今更聖女になんてなりません!
「わんちゃん!?」
まさか護衛騎士に向かって牙を剥くとは思わずロルティが悲鳴を上げれば、彼女の耳元で父親が囁く。
「あれは神官達を騙す演技だ」
ジェナロが口元に人差し指を当てている姿を目にした娘は、唇を両手で抑えて黙り込む。
(いけない! しーっ、しなきゃ……!)
父親に耳元で囁かれていなければ、普段の獣はもっといい子だと声に出してしまっただろう。
ロルティはカイブルから声をかけられるまでずっと、両手を唇で覆っていた。
「このように噛み付いてきます。しかし聖女様が触れても……」
「わふっ」
「このように、大人しく従うのです」
護衛騎士に促されたジェナロは、ロルティを獣の背中に座らせた。
獣は待ってましたとばかりに嬉しそうな鳴き声を上げ、カイブルとの違いをアピールする。
「さすがは聖女様だ……!」
誰か1人が幼子を称賛すれば、神官達は彼女を聖女として崇め始めるものだ。
集団心理を見事に利用して己の思惑通り手籠にした護衛騎士は、最後の仕上げとばかりに宣言する。
まさか護衛騎士に向かって牙を剥くとは思わずロルティが悲鳴を上げれば、彼女の耳元で父親が囁く。
「あれは神官達を騙す演技だ」
ジェナロが口元に人差し指を当てている姿を目にした娘は、唇を両手で抑えて黙り込む。
(いけない! しーっ、しなきゃ……!)
父親に耳元で囁かれていなければ、普段の獣はもっといい子だと声に出してしまっただろう。
ロルティはカイブルから声をかけられるまでずっと、両手を唇で覆っていた。
「このように噛み付いてきます。しかし聖女様が触れても……」
「わふっ」
「このように、大人しく従うのです」
護衛騎士に促されたジェナロは、ロルティを獣の背中に座らせた。
獣は待ってましたとばかりに嬉しそうな鳴き声を上げ、カイブルとの違いをアピールする。
「さすがは聖女様だ……!」
誰か1人が幼子を称賛すれば、神官達は彼女を聖女として崇め始めるものだ。
集団心理を見事に利用して己の思惑通り手籠にした護衛騎士は、最後の仕上げとばかりに宣言する。