異世界から本物の聖女が召喚されたので、聖女見習いの幼女は不要のようです。 追放先でもふもふとパパに溺愛されているので、今更聖女になんてなりません!
せかせかと動き回る姿は、時間に追われるうさぎのようだ。
「うさぎしゃんとおにいしゃま、大丈夫かなぁ……?」
「ああ。早く帰ろう」
ロルティがそんな店主の姿をぼんやり見つめながらぼそりと呟けば、待ち切れないジェナロが踵を返す。
扉を開け、外へ出てしまう。
(はれ? お金も払ってないし、商品を受け取ってないのに……。出て行っちゃって、いいのかな……?)
ロルティは不思議だったが、馬車の前に立っていた侍女とジェナロがこそこそとナイショ話をすれば、急いで使用人達が雑貨店に駆け込んで行く。
「ねぇ、パパ。おにいしゃまへの、お土産は……?」
「あとで使用人達が持ってくる。嫌な思いをさせて、すまなかった」
どうやら親子は先に屋敷へ戻り、あとから商品を受け取る手筈になったようだ。
馬車の前で父親から謝罪を受けたロルティは、ぶんぶんと左右に首を振る。
父親が謝る理由など、どこにもないと考えたからだ。
(ここで素直に傷ついたと口にすれば、血の雨が振っちゃう……!)
そう危惧した彼女は、パッと笑顔を浮かべて否定したのだが――。
「わたし、全然気に……」
その言葉は最後まで、口にはできなかった。
「うさぎしゃんとおにいしゃま、大丈夫かなぁ……?」
「ああ。早く帰ろう」
ロルティがそんな店主の姿をぼんやり見つめながらぼそりと呟けば、待ち切れないジェナロが踵を返す。
扉を開け、外へ出てしまう。
(はれ? お金も払ってないし、商品を受け取ってないのに……。出て行っちゃって、いいのかな……?)
ロルティは不思議だったが、馬車の前に立っていた侍女とジェナロがこそこそとナイショ話をすれば、急いで使用人達が雑貨店に駆け込んで行く。
「ねぇ、パパ。おにいしゃまへの、お土産は……?」
「あとで使用人達が持ってくる。嫌な思いをさせて、すまなかった」
どうやら親子は先に屋敷へ戻り、あとから商品を受け取る手筈になったようだ。
馬車の前で父親から謝罪を受けたロルティは、ぶんぶんと左右に首を振る。
父親が謝る理由など、どこにもないと考えたからだ。
(ここで素直に傷ついたと口にすれば、血の雨が振っちゃう……!)
そう危惧した彼女は、パッと笑顔を浮かべて否定したのだが――。
「わたし、全然気に……」
その言葉は最後まで、口にはできなかった。