異世界から本物の聖女が召喚されたので、聖女見習いの幼女は不要のようです。 追放先でもふもふとパパに溺愛されているので、今更聖女になんてなりません!
(ロルティ……。俺の最も愛した女性の、忘れ形見……)
娘は母親に似てよく笑い、涙を堪える。
その姿は本当にそっくりで、なぜそばに彼女がいないのだろうかと悩むことも多かった。
(全て俺のせいだ……)
ジュロドの母親と愛のない政略結婚なんか。しなければよかったのだ。
そうすれば今もなお彼女は生きており、家族3人神殿に茶々を入れられることなく幸せに過ごせていた。
彼は自身の過去を振り返りながら、廊下を歩き終え外に出る。
(ジュロドがいない生活、か……)
愛していない女性との間に生まれた息子。
彼が生まれて来なければよかったとは思わない。
子どもは親を選べないからだ。
(……それに……)
神殿から逃げてきたロルティがあっと言う間に自身を父親として受け入れ、この公爵邸こそが自身の帰るべき場所だと受け入れられたのは、息子がずっとそばで娘に優しい言葉を投げ掛け続けたからだろう。
(俺はジュロドに、感謝するべきだ)
迫害などできるがない。
娘を愛する気持ちは、彼だって同じなのだから。
――シャッ、シャッ、シャッ。
何かを擦り合わせるような、リズミカルな金属音が絶え間なく聞こえてくる。
娘は母親に似てよく笑い、涙を堪える。
その姿は本当にそっくりで、なぜそばに彼女がいないのだろうかと悩むことも多かった。
(全て俺のせいだ……)
ジュロドの母親と愛のない政略結婚なんか。しなければよかったのだ。
そうすれば今もなお彼女は生きており、家族3人神殿に茶々を入れられることなく幸せに過ごせていた。
彼は自身の過去を振り返りながら、廊下を歩き終え外に出る。
(ジュロドがいない生活、か……)
愛していない女性との間に生まれた息子。
彼が生まれて来なければよかったとは思わない。
子どもは親を選べないからだ。
(……それに……)
神殿から逃げてきたロルティがあっと言う間に自身を父親として受け入れ、この公爵邸こそが自身の帰るべき場所だと受け入れられたのは、息子がずっとそばで娘に優しい言葉を投げ掛け続けたからだろう。
(俺はジュロドに、感謝するべきだ)
迫害などできるがない。
娘を愛する気持ちは、彼だって同じなのだから。
――シャッ、シャッ、シャッ。
何かを擦り合わせるような、リズミカルな金属音が絶え間なく聞こえてくる。