【電子書籍化】出世のために結婚した夫から「好きな人ができたから別れてほしい」と言われたのですが~その好きな人って変装したわたしでは?
あの娘にスパイができるだろうか。感情が顔に出やすいし、何事にも真っすぐに取り組む。何よりも、ライオネルを恐れぬぐいぐいと迫ってくる姿勢。あんなスパイがいるとは思えない。
「スパイではないだろ? あれにスパイ行為は無理だな」
「へぇ? たった二回しか顔を合わせていないと思っていたけれど、ずいぶんと彼女のことをわかっているんだね。浮気はダメだぞ、ライオネルくん」
わざとらしいユースタスの言葉に辟易しつつも、どうせ何を言っても無駄なのだろうという思いが込み上げてきた。
だったら、百聞は一見にしかず。ライオネルは先ほど彼女が持ってきた日誌を、ユースタスにつきつける。
「これを見てみろ」
「何、これ。君と彼女の交換日記? おいおい、冗談だよ。そういう顔をするなよ」
ユースタスはライオネルをいじらないと気がすまないのか、毎日こうやって数分であっても顔を見せるし、冗談とも本気ともとれるような訳のわからぬ言葉をかけてくる。
もちろん、仕事の関係でライオネルがユースタスの部屋に足を運ぶこともあるのだが、そういうときは彼もここには来ない。
「スパイではないだろ? あれにスパイ行為は無理だな」
「へぇ? たった二回しか顔を合わせていないと思っていたけれど、ずいぶんと彼女のことをわかっているんだね。浮気はダメだぞ、ライオネルくん」
わざとらしいユースタスの言葉に辟易しつつも、どうせ何を言っても無駄なのだろうという思いが込み上げてきた。
だったら、百聞は一見にしかず。ライオネルは先ほど彼女が持ってきた日誌を、ユースタスにつきつける。
「これを見てみろ」
「何、これ。君と彼女の交換日記? おいおい、冗談だよ。そういう顔をするなよ」
ユースタスはライオネルをいじらないと気がすまないのか、毎日こうやって数分であっても顔を見せるし、冗談とも本気ともとれるような訳のわからぬ言葉をかけてくる。
もちろん、仕事の関係でライオネルがユースタスの部屋に足を運ぶこともあるのだが、そういうときは彼もここには来ない。