【電子書籍化】出世のために結婚した夫から「好きな人ができたから別れてほしい」と言われたのですが~その好きな人って変装したわたしでは?
「では、失礼します」
 大きな花束を抱えたまま、アンヌッカは帰路につく。
 軍本部からメリネ魔法研究所までは歩いて十分程度。その間、花束を持って歩けば、すれ違う人から興味の視線を向けられる。だけどそんな視線も気にならないくらい、アンヌッカは考え事をしていた。
(変なことになってしまったかも……)
 てっきり今日で軍本部に通うのは終わりだと思っていた。だというのに、もしかしたら明日からもまたあそこに行かなければならないかもしれない。
 それが嫌なわけではない。軍にはアンヌッカが見たことのない魔導書がまだまだたくさんあり、それだけでもわくわくしてしまう。
(だけど、無期契約だなんて……)
< 157 / 237 >

この作品をシェア

pagetop