【電子書籍化】出世のために結婚した夫から「好きな人ができたから別れてほしい」と言われたのですが~その好きな人って変装したわたしでは?
それを考えれば、決まりごとをぶっ壊そうと一人で粋がっていても、上から押さえつけられる可能性は重々にある。となれば、ユースタスの言うように、今の規則に則って上にいき、そこで暴れるほうがいいのかもしれない。
「なるほどな。それに、この女なら……」
とそこまで言いかけてライオネルは口をつぐむ。
「へぇ? 君が女性に興味を持つだなんてね。天変地異の前触れかな?」
「興味を持ったわけではない。どう利用できるか、考えているだけだ」
「それを興味というのだと思うのだけれどね。まぁ、いい。こんなくだらないやりとりをしたいわけではないからね。君はこの結婚に乗り気っていうことでいいね?」
「乗り気ではない。ただ、利用してやるだけだ」
そう。この結婚はライオネルにとって都合のいいもの。
うるさい軍の上の奴らを黙らせるために必要なもの。
そう、自身に言い聞かせる。
「なるほどな。それに、この女なら……」
とそこまで言いかけてライオネルは口をつぐむ。
「へぇ? 君が女性に興味を持つだなんてね。天変地異の前触れかな?」
「興味を持ったわけではない。どう利用できるか、考えているだけだ」
「それを興味というのだと思うのだけれどね。まぁ、いい。こんなくだらないやりとりをしたいわけではないからね。君はこの結婚に乗り気っていうことでいいね?」
「乗り気ではない。ただ、利用してやるだけだ」
そう。この結婚はライオネルにとって都合のいいもの。
うるさい軍の上の奴らを黙らせるために必要なもの。
そう、自身に言い聞かせる。