【電子書籍化】出世のために結婚した夫から「好きな人ができたから別れてほしい」と言われたのですが~その好きな人って変装したわたしでは?
だというのに、なぜか先ほどからライオネルがかいがいしくアンヌッカの世話を焼いている。
「ありがとうございます、ケホッ……ですが、マーレ少将はあちら側にいかなくてもよろしいのですか?」
「問題ない。俺の部下がしっかりとあいつを捕まえたからな。殿下のこともあいつらが守るから心配するな」
「そうですか」
問題ないと言われたのであれば問題ないのだろう。
アンヌッカはゆっくりと身体を起こそうとしたが、その背をすかさずライオネルが支えてきた。
「あ、ありがとうございます」
「いや。俺たちの問題におまえを巻き込んだからな。これくらいはしないとな」
優しく微笑むライオネルの姿に、またアンヌッカの胸はトクリと音を立てる。彼がこうやって親切にしているのは、目の前の女性がカタリーナ・ホランだからだ。
わからぬ敵をおびき寄せるためにユースタスの作戦にのり、一人でこの部屋に泊まって襲われるのを待っていたからだ。
その笑顔はアンヌッカに向けられたものではない。
「ありがとうございます、ケホッ……ですが、マーレ少将はあちら側にいかなくてもよろしいのですか?」
「問題ない。俺の部下がしっかりとあいつを捕まえたからな。殿下のこともあいつらが守るから心配するな」
「そうですか」
問題ないと言われたのであれば問題ないのだろう。
アンヌッカはゆっくりと身体を起こそうとしたが、その背をすかさずライオネルが支えてきた。
「あ、ありがとうございます」
「いや。俺たちの問題におまえを巻き込んだからな。これくらいはしないとな」
優しく微笑むライオネルの姿に、またアンヌッカの胸はトクリと音を立てる。彼がこうやって親切にしているのは、目の前の女性がカタリーナ・ホランだからだ。
わからぬ敵をおびき寄せるためにユースタスの作戦にのり、一人でこの部屋に泊まって襲われるのを待っていたからだ。
その笑顔はアンヌッカに向けられたものではない。