【電子書籍化】出世のために結婚した夫から「好きな人ができたから別れてほしい」と言われたのですが~その好きな人って変装したわたしでは?
「変じゃないよね? 国王命令で軍人と結婚したメリネの娘は、夫の不貞によって捨てられるわけだ。これってメリネに喧嘩を売っているようなものだろう? そうならないように、私が娘と結婚する。こうすれば、メリネが他国と手を結ぼうとは考えなくなるわけだ」
黙って汚れたところを吹き終えたライオネルは、じろりとユースタスを睨みつける。
「メリネはそういうところではないだろう? 少なくとも他国と手を結んで、この国を手中に治めるとか、そういった大それたことは考えていない」
「なぜそう言い切れる?」
「カタリーナを見ていればわかる。あそこは純粋に魔法が好きな者の集まりだ。それから、国家魔導士になれなかった者たちの受け皿。そういったところが国家反逆を企てているとかは考えにくい」
「恋は盲目」
「なんか言ったか?」
ユースタスは肩をすくめて「なんにも」と答える。
「ま、とにかく。君がリーナに気持ちを伝えるのは、奥さんとの関係をきっちりと終わらせてから。そして君の奥さんには、君よりもよい縁談先を準備しておくよ。それって、私以外、いないと思うんだけどなぁ」
最後のユースタスのぼやきは聞かなかったことにしておく。
黙って汚れたところを吹き終えたライオネルは、じろりとユースタスを睨みつける。
「メリネはそういうところではないだろう? 少なくとも他国と手を結んで、この国を手中に治めるとか、そういった大それたことは考えていない」
「なぜそう言い切れる?」
「カタリーナを見ていればわかる。あそこは純粋に魔法が好きな者の集まりだ。それから、国家魔導士になれなかった者たちの受け皿。そういったところが国家反逆を企てているとかは考えにくい」
「恋は盲目」
「なんか言ったか?」
ユースタスは肩をすくめて「なんにも」と答える。
「ま、とにかく。君がリーナに気持ちを伝えるのは、奥さんとの関係をきっちりと終わらせてから。そして君の奥さんには、君よりもよい縁談先を準備しておくよ。それって、私以外、いないと思うんだけどなぁ」
最後のユースタスのぼやきは聞かなかったことにしておく。