【電子書籍化】出世のために結婚した夫から「好きな人ができたから別れてほしい」と言われたのですが~その好きな人って変装したわたしでは?
「それは一か月くらいで、というのが先方の希望だ。できるか?」
「ええ、もちろんです。古代文字から現代語への解読は、十日もあれば終わるかと。こちらはわたしの知っている古代文字ばかりのようなので、調査に時間がかかりません」
「それならよかったよ。実はそれ、国の魔法研究所ではなく、軍の魔法研究部門から依頼されたやつなんだ。だから、中身がな……」
そこで言いにくそうに、唇をもごもごさせるマーカスの様子を目にしたら、アンヌッカだって魔導書の中身に何を書かれているかはなんとなく察する。
深追いしてはならない魔導書なのだ。
「ゾフレ地区……今回、マーレ少将が魔獣討伐に向かった地区でもある」
「そうだったのですね」
アンヌッカはライオネルがどこに行ったのかだなんてまったく知らなかった。興味がないから、知りたいとも思わなかった。
「魔獣らが魔塔の一部に侵入したみたいでな。それで、地下の書庫が発見されたらしい」
「ええ、もちろんです。古代文字から現代語への解読は、十日もあれば終わるかと。こちらはわたしの知っている古代文字ばかりのようなので、調査に時間がかかりません」
「それならよかったよ。実はそれ、国の魔法研究所ではなく、軍の魔法研究部門から依頼されたやつなんだ。だから、中身がな……」
そこで言いにくそうに、唇をもごもごさせるマーカスの様子を目にしたら、アンヌッカだって魔導書の中身に何を書かれているかはなんとなく察する。
深追いしてはならない魔導書なのだ。
「ゾフレ地区……今回、マーレ少将が魔獣討伐に向かった地区でもある」
「そうだったのですね」
アンヌッカはライオネルがどこに行ったのかだなんてまったく知らなかった。興味がないから、知りたいとも思わなかった。
「魔獣らが魔塔の一部に侵入したみたいでな。それで、地下の書庫が発見されたらしい」