【電子書籍化】出世のために結婚した夫から「好きな人ができたから別れてほしい」と言われたのですが~その好きな人って変装したわたしでは?
「以前、メリネは十日で解読してきたよね。あれだって禁帯本でなくてもゾフレの魔導書だ。それをいとも簡単にやってのける人物が、あそこにはいるってわけだ。興味深い……」
ユースタスが右手で顎をさすり始めたのは、何かを企み始めた証拠でもある。その企みがいいものであった試しなど一度もない。それに散々振り回されてきたのもライオネルなのだ。
「本が持ち出せないなら、来てもらえばいいんじゃない?」
ライオネルはひくりとこめかみを震わせる。
「メリネ魔法研究所から、軍の研究部門に人を派遣してもらおう。そうしよう。確かメリネは、そういった人物の派遣業務もやっているよね。魔獣討伐ではかなり世話になっているはずだ。誰かさんのせいでね」
ひくひくひくっとライオネルのこめかみは震えたままだ。
「ほ、本当ですか?」
先ほどまで半べそかいていたリダークは、今度は違う意味で泣きそうになっている。
ユースタスが右手で顎をさすり始めたのは、何かを企み始めた証拠でもある。その企みがいいものであった試しなど一度もない。それに散々振り回されてきたのもライオネルなのだ。
「本が持ち出せないなら、来てもらえばいいんじゃない?」
ライオネルはひくりとこめかみを震わせる。
「メリネ魔法研究所から、軍の研究部門に人を派遣してもらおう。そうしよう。確かメリネは、そういった人物の派遣業務もやっているよね。魔獣討伐ではかなり世話になっているはずだ。誰かさんのせいでね」
ひくひくひくっとライオネルのこめかみは震えたままだ。
「ほ、本当ですか?」
先ほどまで半べそかいていたリダークは、今度は違う意味で泣きそうになっている。