【電子書籍化】出世のために結婚した夫から「好きな人ができたから別れてほしい」と言われたのですが~その好きな人って変装したわたしでは?
「自分の実力を認めるって、なかなかできないことだよ。そういう素直なところは、君にも見習ってほしいな」
ユースタスの視線の先にはライオネルがいる。
「そんな素直な君の頼みだ。いいんじゃない? 使えるものは使おう」
「殿下!」
すぐにライオネルは声をあげる。
「彼らが解読している魔導書はゾフレ地区の魔塔の地下に隠されていた魔導書だ。それを民間の手に渡すとは……」
「だけど、メリネ魔法研究所には過去にも依頼しているよね。同じゾフレの魔塔から持ってきた魔導書の解読」
「あれは、古いだけのものだ。内容を他者に見られても問題ないと判断した。だが、今回の魔導書は禁帯本だ。魔塔から運び出すためにも、封印を解いて持ってきた」
禁帯本とはその所有する建物内での閲覧が可能な本のこと。特に魔塔に保管されている魔導書は、持ち出せないように封印を施されている。だから禁帯本だとすぐにわかったのだが。
「だけど、ここの研究部での解読は難しいのだろう?」
「は、はい……申し訳ございません。禁帯本なだけあって、使用されている古代文字が複雑過ぎて……こちらの資料だけでは解読ができず……かれこれ二か月ほど調べてはいるのですが……」
ユースタスの視線の先にはライオネルがいる。
「そんな素直な君の頼みだ。いいんじゃない? 使えるものは使おう」
「殿下!」
すぐにライオネルは声をあげる。
「彼らが解読している魔導書はゾフレ地区の魔塔の地下に隠されていた魔導書だ。それを民間の手に渡すとは……」
「だけど、メリネ魔法研究所には過去にも依頼しているよね。同じゾフレの魔塔から持ってきた魔導書の解読」
「あれは、古いだけのものだ。内容を他者に見られても問題ないと判断した。だが、今回の魔導書は禁帯本だ。魔塔から運び出すためにも、封印を解いて持ってきた」
禁帯本とはその所有する建物内での閲覧が可能な本のこと。特に魔塔に保管されている魔導書は、持ち出せないように封印を施されている。だから禁帯本だとすぐにわかったのだが。
「だけど、ここの研究部での解読は難しいのだろう?」
「は、はい……申し訳ございません。禁帯本なだけあって、使用されている古代文字が複雑過ぎて……こちらの資料だけでは解読ができず……かれこれ二か月ほど調べてはいるのですが……」