【おまけ追加】塩対応の汐宮先生は新人医局秘書にだけ甘くとける
「ところで、菜々ちゃんっていくつなの?」
「私? 21歳よ。早生まれだから、今年22歳の学年。医療系の専門学校在籍中にここへの就職が決まったの。ここに勤めて2年かな」
「21歳……」
 
 若い! 若く見えるんじゃなくて、本当に若いんだわ。まだ学生の年齢じゃない。
 でもここでは頼りになる先輩だ。

「私が若く見えるのは本当に若いから。顔は平凡。
でも叶恋ちゃんが若く見えるのはそのアイドル顔だよ。小さな丸いお顔なのに形のいい顎はちゃんととがってて、目は吸い込まれそうに大きい。しかも腰までの長いストレートの髪。
アイドルグループにいてもおかしくないわよ?」
「いや、褒めてくれるのは嬉しいけど、全然アイドルじゃないから……か、髪も切りに行く時間がなかっただけなの」

 有難いけれど、アイドルって言葉が出てくるたびにハラハラする……。

 今の私はそろそろアラサーに突入する一般人だ。
 しかもかなり生活に疲れてる感のある……。

「でも小さい頃に憧れた『クッキングアイドルかれん』のかれんちゃんにそっくりなんだもの! 叶恋ちゃんが羨ましいよ」
「ハハハ……ありがとう……」

 『クッキングアイドルかれん』かー。
 たしかに懐かしい。Eテレで昔やっていた番組だ。
 
 実はそれって、在りし日の私だったりするんだけど――――。


 ◇ ◇ ◇
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