【おまけ追加】塩対応の汐宮先生は新人医局秘書にだけ甘くとける
 もちろん、最初はそういった下心があって双子をサッカーやUSパークに誘ったが、あいつらがあんなに可愛かったのは嬉しい誤算だった。

 次は夢の国もいいな、クリスマスシーズンはどうだろうか、などと家族で行く次の計画を立てたくてうずうずしている。

 俺自身がこの気持ちの変化に驚いているくらいだ。

 それに叶恋の両親は感覚が若いからか、妙にウマが合う。
 USパークへ行った日、叶恋の両親には先に許可を取ってある。もちろん結婚を前提とした付き合いのだ。

 そして交際を認めてもらっただけでなく「もう大人なのだから、連絡さえもらったらお泊まりしてきてもいいのよ。遠慮しないでくださいね」と、お許しをいただいたりもしていた。
 学生結婚しているだけあって、なかなか発展的な両親だ。
 もちろんありがたく実践させてもらう予定である。

「まあ、脳外で汐宮先生にかなうドクターはいないだろうけど、やっぱり彼でもダメだったんだね。
自信満々だったのになぁ……」

「彼……? 何の話ですか?」

「先月まで来ていた研修医だよ。伊原さんの幼馴染の」

 研修医というと、あの時のチャラいやつか。
 あいつ、叶恋の幼馴染だったのか。

「彼、大迫美容外科の跡取りなんだ。
日本で知らない人はいないくらい有名なあのCMの。
あの甘いマスクで、誰にでも優しいから、彼がいる間は脳外のナースステーション大変だっただろう? 
みんな彼のファンだったからねー。
……覚えているだろう?」

「?」

「ハァ……汐宮先生はなんの興味もないか」

 病棟に来た叶恋に話しかけていたことは覚えているが、それ以外には記憶がない。
 俺はオーベンでもないし、接点がなかったのだから興味がなくて当たり前だろう?

「塩対応の汐宮先生だもんね。
伊原さんのこと以外、興味ないよね」

「はい。それよりその研修医が叶恋に何かしたんですか?」

「いや……聞かれたんだ。汐宮先生と伊原さんのこと。付き合ってるのかって。
その時は詳しいことを知らなかったから、正直に知らないと答えた。
そうしたら、幼馴染で初恋の人なんだと、あっちから言い出したんだ」

「初恋……」

「そう。あの歳で百戦錬磨っぽい彼の初恋の相手が伊原さんらしい。
彼ね、学生時代はモデルの仕事をしていたんだ。
それだけじゃなくて、遡れば、子役として朝ドラや大河にも出てたらしい。
かなり売れっ子の子役だったそうだよ。
ナースの皆んなが言ってた」

 子役? 叶恋の幼馴染が、子役……?

「大迫莉久で調べたらすぐに出てくるよ。
彼、ウィキに載ってるから」

 ウィキ!? すげーやつだったんだな。
 いや、それより……。
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