【おまけ追加】塩対応の汐宮先生は新人医局秘書にだけ甘くとける
お母様からの電話
 医局内での説明が終わった後、菜々ちゃんに連れられて病院の方へやってきた。

「本当は電話番があるから、秘書のどちらか一人は医局に残らないといけないんだけどね。今日は特別に許可を得ているから、新人あいさつ回りを済ませちゃおう」

 そう言って、菜々ちゃんは外来・病棟・ランドリー部・院内郵便局・院内銀行出張所などを効率よく案内し、私を新人秘書として紹介してくれた。

 若くて朗らかな彼女はどこに行っても人気者だった。おかげで私まで好意的に接してもらえたような気がする。菜々ちゃん様様だ。

 院内のコンビニでお弁当を買い、医局へ戻ったのは正午になる頃だった。

 たくさん歩いてようやくありつけたお昼ご飯を食べながら、これから毎日こうやって菜々ちゃんとお昼ご飯を食べるのか、と新鮮な気分でいた。


 ◇ ◇ ◇


 午後になって何名かの先生方が医局に戻ってきていたが、皆それぞれのデスクでお昼ご飯を食べたり、仮眠を取ったりしている。

 休憩の邪魔をしてはいけないので、医局秘書のデスクで何かできることはないかと思っていると、電話が鳴った。

 菜々ちゃんは郵便物を取りに出ている。
 私がこの電話を取らなくてはいけない。
 これは……外線だ。
 電話の対応は菜々ちゃんから教わっている。
 いざ実行の時だ。
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